a12 流通BMS(Business Message Standard)
最近、「流通BMS(Business Message Standard)」というMETIプロジェクトにより、ebMSによるXML/EDIの世界が立ち上がろうとしているとの話を聞き、TEDI時代に経験した技術がどのように流通業界に適用されるのか、との興味によりここ半年ほど概要を調査をしてきました。ご興味のある方は http://www.dsri.jp/ryutsu-bms/ をご参照ください。
大雑把にいえば、小売店と卸売業が従来よりJCA手順でEOSデータ交換を行っていたものを、XML/EDIの技術により再構築するものです。公衆回線の費用や請求データの取り込みによりコスト低減、作業効率化を目指しています。
JCA手順に替わるものとして、ebMS2.0, AS2.0,JX手順の選択が可能になっています。JX手順はTEDI関係者にはなじみが薄いと思いますが、もともとEOSが「ファイルのPull」型の運用が多いため、このBMSプロジェクトにおいてSOAPベースのPULL手順を開発しました。そして中堅・中小企業むけにはJX手順が適しているとの結果を得て、OASISに採用を提案し、最近ebMS3.0の中にこの方式も正式採用されたと聞いています。大手の小売店がBMS採用を決めたとの情報もあり、今後の発展が注目されます。
この調査をしていた過程で面白いソフトを発掘したのでご報告します。香港大学のコンピュータ・サイエンス学科が後ろ盾となってCEICD(Center for E-commerce Infrastructure Development)というR&D組織を2002年に設立しました。http://www.cecid.hku.hk/index.php そこではいくつかプロジェクトがあるのですが、そのうちの一つに、ebMS2.0, AS2の開発があります。成果物はオープン・ソースとして公開されていますので誰でも利用可能です。数か月前にダウンロードし、自宅で悪戦苦闘していたのですが(前提条件としてTomcatやMySQL等の知識が必須です)、やっと昨日動作確認ができました。
まだ電子署名なしでの折り返しテストしかできていませんが、マニュアルでは当然電子署名も可能とのことです。
ご興味のある方は是非挑戦してみてください。ダウンロードは、http://community.cecid.hku.hk/index.php/product/download/download_h2o/ からできます。
(TI/2010.11.01) → Index に戻る