a23  輸出通関における保税搬入原則の見直しが明文化される

 

201067日に開催された 内閣府 行政刷新会議 規制・制度改革に関する分科会 において、懸案であった輸出通関における保税搬入原則の見直しについて、平成22年度中に検討の上 結論を出す事が、同会の報告書に記載されるとことなりました。

 本件につきましては去る43日に、当時の枝野行政刷新相が東京港の青海コンテナヤードを視察され、「競争相手である国々と同等の条件で輸出が出来るようにしないといけない」との認識を示された経緯があります。

 欧米諸国や韓国等では、輸出競争力強化の観点から、関税徴収等が伴わない輸出通関については、商品を保税地域に搬入せずとも輸出通関ができるのに対して、わが国ではいわゆる保税搬入原則があり、例外措置や特例措置を除き、輸出通関のために先に保税蔵置場に貨物を搬入し、またコンテナに貨物を詰める前に申告しなければなりません。そのため、輸出に余計な日数・コストがかかり、国際競争力の低下を招いているという現状を変革することが上記分科会で決定しました。

 以下は報告書に記載される当該部分です。

<TT>  2010/06/08

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<各府省庁が取り組む規制改革事項・対処方針>

規制改革事項: 輸出通関における保税搬入原則の見直し

対処方針

貿易円滑化の推進等の観点から、関税法上、保税地域に貨物を搬入後に行うこととされている輸出申告を、適正通関を確保しつつ、保税地域への貨物搬入前に行えるよう検討する。その際、不正輸出及び消費税の不正還付抑止の観点から、税関による申告受理及び貨物検査・許可は、コンテナヤード等保税地域搬入後に行うこととする。

関連して、荷主の異なる貨物を保税地域外でコンテナ詰めし、輸出通関することについても可能となるよう検討する。

保税地域搬入前の輸出申告を可能とすることに伴い、一層の迅速通関につながるよう、効果的・効率的な審査・検査を可能とする関連システムの改変・税関の体制整備等を併せて検討するものとする。(平成22 年度検討・結論)

当該規制改革事項に対する分科会・WGの基本的考え方

○ 現状は、保税搬入原則に基づいて保税地域に搬入された貨物の相当部分が、NACCS(通関情報処理システム)入力と同時に通関が許可されており、税関職員による現物検査は行われていない。 また、保税搬入原則が撤廃されても、全ての輸出貨物は物理的にコンテナヤード等に必ず搬入されるため、疑わしい貨物に対する最終チェックは諸外国と同様に可能であり、保税検査場での検査可能性は従来どおり担保される。

○ AEO制度は平成18 年に導入され認定輸出者は大企業を中心に約230 社であるが、AEO制度では品目ごとの管理が必要であり、管理コストが大きいため、負担は完全には軽減されていない。

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